〜初恋〜アナタに溺れる
でも、なんだかすごく愛しくて。

「花見すればよかったね。」

「じゃぁ、来年花見するか。」

うん。

絶対ね。

そんな些細なことにも幸せ感じてた。

猛がいたから…

猛に恋してたから。

桜を見て思ったんだ。

来年は…親友。じゃなくて、恋人。としてここにこれたら…って。

17歳の私は猛がすべてなんだよ?

17歳の猛はどうですか?

伝えたい。

何度そう思っても、臆病な私は”好き”の一言が言えなかった。

もうすぐ春休み。

また、宿題をダシに毎日会いに行ってもいい?

だから、まだ彼女作らないでね。

会いに行けなくなっちゃうから…。


……−−−−−−−


小さく呼吸して私は現実の世界に戻った。

ん??

痛いくらいに感じる視線を辿れば…

猛…なんで?

まっすぐに見つめる猛に、迂闊にもドキドキして…。

何か言いたそうな…そんな瞳で。

でも、それを遮るように健哉が電話を終えて戻ってきた。




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