〜初恋〜アナタに溺れる
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「どう…し…て?」

弱くて今にも消えてしまいそうなキミの声。

答えてやりたいけど、答えてやれない。

だってさ…

無意識なんだ。

気づいたら抱きしめてた…そんな感じ。

だからただ謝ることしか出来ない。

本当は結婚式の選曲なんて嘘なんだ。

曲はすでに絵里香が決めていた。

キミに会うための嘘。

普通に”会いたい”なんて口にしたら、絶対に会わないだろ?

「…ごめんな。今日は帰るよ。」

抱きしめたキミの温もりが消えないうちに、早く帰ろう。

一人でちゃんと考えよう。

このままじゃ、きっとダメだ。


抱きしめていた身体を離して背を向けた。

「…曲は…いいの?」

少し戸惑いの表情を見せる麻乃。

そりゃそうだよな。

全くもって本来の目的をこなしてないんだから。

でも、仕方ないだろ。

「ん…アドバイスはもらったから考えて来るよ。ありがとな。」

帰ろうとドアに手を伸ばした時…

「どうして?私を抱きしめたりしたの?」

振り向けば、僅かな距離にキミの姿。

あまりにも真剣に真っすぐ俺を見る瞳。

逸らすことも…誤魔化すことも許されないだろう。

だから、慎重に言葉を選んだ。





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