犯人ゲーム
『君のその自信はどこから来てるんだい?』
チェシャ猫はそんな事を聞く。
「自信?自信なんかじゃなく事実を述べてるだけだ。俺はまだこのゲームを面白くできる」
『面白く、ねぇ』
再びカシャリと音がする。
音のするほうを見れば、さっきまで俺を狙っていた銃は消えていた。
『今は、殺さないであげるよ♪』
「礼は言った方がいいのか?」
『好きにしなよ~。けどね光二君、忘れない事だよ』
「……何?」
チェシャ猫の細い目、刹那的に見開く。
黒目に映った俺は驚きを隠さなかった。
「君の『立場』、だよ♪」
そう残してチェシャ猫の体は電子空間の中で粒子になって崩壊を始めた。
『フフ♪君とのお喋りが過ぎたみたいだね』