犯人ゲーム
「……疲れてんだ。少し休ませろよ」
「何が、『休ませろ』よ!?」
声を荒げたのは銃を押し付ける男子とは対面の女子。
確か、吉井と仲が良かった女子だ。
「あんたが、吉井ちゃんを殺したのよ!!」
眼鏡を掛けた女子は憤りをそのままに、やはり銃を俺の頭に向ける。
いや、他の二人もやはり俺の頭に銃を向けていて正に四面楚歌。
向けられてるのは歌じゃなく銃だけど。
「さっきのお前とチェシャ猫の会話。全部聞いてた。その前の吉井と一ノ瀬との問答と行動も全部だ」
目だけを動かし、よく喋るこの男子に視線を移す。
「お前は一体何なんだ!?」
「何なんだ、と聞かれても俺もお前らと同じだとしか答えようがないんだが?」
我ながら飄々と。ソファに未だ身を預けながら答えた。