犯人ゲーム
「嘘をつくな。皆わかってるんだ。お前がチェシャ猫とグルだってな」
「その根拠はあるのか?」
「根拠はない。だけどお前さっきチェシャ猫との会話中に『俺ならこのゲームをまだ面白くできる』。そう言った」
「……」
「お前は、自分が生き残ればそれでいいんだろ!?それだけでお前はもうチェシャ猫とグルなんだよ」
酷い暴論だ。
たかだかそんな理由でグル扱いするとはな。
正解に近すぎて笑える。
「半分正解で、半分不正解と言った所だな」
俺の言葉に四人は困惑の表情を浮かべた。
「隠す必要はもうないから教えてやるよ。藍原の言ってた『もう一人チェシャ猫に近づいた奴』ってのは俺だよ」
困惑は瞬間的に怒りに切り替わる。
向けられた銃口からは憎悪と嫌悪が滲み出ている。
俺も嫌われたものだ。