犯人ゲーム
「やめときなよ。君じゃ、俺は殺せないよ」
子供を諭すように、優しくゆっくりと言葉を紡ぐ。
「銃なんて、降ろせよ。殺しても、殺されてもただ痛いだけだなんだからさ」
「だ、だったら私は。殺して、痛い方を、え、選ぶわ!!」
ん、それもそうか。俺も殺す方を選ぶな。というか選んでる。
「けど、もし俺が君の銃より早く君を倒し伏す事が出来たならどうだろう?」
肩口まである髪の毛が微細に揺れる。
「俺は君の顔を殴りつけるよ。何度も。殺しはしない、けど何度でも殴る。
泣いても鳴いても哭いても喚いても叫んでも懇願しても服従しても後悔しても謝罪しても、俺は君を殴り続ける。
その後、君を強姦でもしようか?」
俺の言葉にビクンと女子の肩が跳ねる。
想像したのだろう。
俺に殴打される自分を。
俺に玩弄(がんろう)される自分を。