犯人ゲーム
「なんで僕と望美は向かいあって横になってるんだ?」
「単純に一番これが楽だったからだねぇ」
「楽?」
「怪我人を見るのには自分の隣に置いといた方が楽ですのょ」
「は?」
怪我人?
望美は顔に掛かった髪を耳にかける。
こめかみ付近の髪の毛の生え際がかすかに覗く。
「覚えてなぃんだね。よーいちってばこーじに足撃たれて、そのまま気失ったじゃん」
足を、撃たれて…。
急激に記憶が湧き上がる。
フラッシュバックする光二との対峙。
「痛っ!?」
瞬間、強烈な足の痛みが襲ってきた。
「動かないでぇね、っと。一応ネクタイで止血はしたけどさ、応急処置でしかないからさ」
確かに、感覚として足に何かが巻きついているのがわかる。
それは直接肌に巻きついていて、しかし陽一はしっかりズボンをはいていた。
つまりーー。
「しゃ~ないよねぇ。応急処置だもん」
ーーズボンを望美に脱がされたって事か。