犯人ゲーム
「何を今更」
望美はあっさり斬り捨てるように言うが、事態はそう簡単なものではない。
確かに昔は、まぁうん。そういうこと、と言うか互いの裸体くらい珍しいものではなかった。
けどそれは前述の通り、昔の話。
「別によーいちの粗末な粗チ〇なんか見ても私は気にしないよ~ん」
「俺は気にするから。ていうかパンツ穿いてんだから見える事も見られる事もないだろうが」
「それはどうだろねぇ」
不敵な笑みを浮かべる望美。
見たのか。やっぱり見られたのか。
急に恥ずかしくなって、向かい合う体勢が嫌になって陽一は上体を起こそうとした。
けれど望美が腕を掴み、それを妨げる。
「な、何だよ…?」
望美は目だけを向け、陽一を引き倒す。
また向かい合う体勢に戻った。
「……バカ望美。だ、誰に見られたらどうすんだよ」
この体勢を見られれば誤解が生まれる事は必須だろう。