犯人ゲーム
陽一は言葉の意味がわからなかった。
頭がまるで働かず、理解を放棄した感覚だった。
戦慄く陽一に、望美が声を掛ける。
「陽一が気失ってる間にね、色々あったんだよ」
「色々って、なんだよ」
望美はバツが悪そうに陽一から視線を逸らす。
「全部、見た訳じゃないから上手くは言えないけど…」
「いいから言えよ」
言葉はどこか高圧的で責めるような語調。
けれど今の陽一にそれを気にする頭はなかった。
「……光二と他の四人が言い争いして。皆、死んだ」
皆、死んだ?
簡潔な一言だった。
出来るだけ感情を添削した結果、そんな簡素な形になったのだろう。
もしくは、陽一への配慮か。
「光二も、か?」
望美は小さく首肯する。
「こーじも死んだよ。残ってるのは、本当に私とよーいちだけ」