犯人ゲーム



『犯人』捜しの殺し合いはまもなく終わりを迎える。


時間切れを間もなくにして、陽一と望美。


それからついでのような七体のマネキンを残して。


「なぁ」


眼前の望美に声を掛けた。


暗闇の中でも映える黒目がちな双眸に陽一が映る。


「なぁに」






「……お前。『犯人』か?」







望美は言葉を返さない。


ただ、僅かに口角を上げ薄く笑むだけ。


「なぁ。教えてくれよ、『犯人』はお前なのか?それともあのマネキンのどれかなのか?」


「よ~いち。チェシャ猫の出したヒント、覚ぇてるよね」


「……あぁ。一応は覚えてる。けどそれが何だっていうんだ」


「いいから言ってみそ」


陽一は釈然としないながらも望美の言う通りヒントを思い出し始めた。


「……えと、確か一番最初のヒントは『女性』だったはず」


望美は小さく、「そう」と呟いた。


「それはつまりは『性別の概念が存在する』ものが犯人の第一条件って事だと思わないかいワトソン君」


「誰がワトソンだ」


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