犯人ゲーム



「僕だって親友やクラスメートを殺してまで生きていたくはない」


それはついさっき望美の言った言葉。


その気持ちが自分だけだと思ったなら、それは間違いだ。


陽一は心の中でそう、呟いた。


「……バカ」


小さく、そんな声が聞こえたような気がしたが知らんふりをしておいた。


「さて、残り時間も少ないんだ。生き残る術を考えよう」


そう言って一番最初に考えたのはチェシャ猫の銃弾を防ぐ。またはやり過ごす。と言った方法だった。


幸いにもソファはクラスメート分ある。身を隠すことは余裕だろう。


「時間になったらソファの後ろに隠れよう。そしたら、ある程度なら銃弾は防げるはずだ」


「それは、……多分無理だよ」



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