犯人ゲーム
確かに。
望美のそれは的を射ていた。
止まった的でも難しいのにあの恐慌の中だ。まず不可能に決まってる。
「不可能なのよん」
望美も陽一の表情から思考を汲んだように言葉を重ねる。
「じゃあ誰が皆を殺した。か」
それなら答え。と言うか想像は容易につく。
「チェシャ猫、か?」
「想像の域を出ないけどね。でも説明はできる」
「説明?」
「うん。紙に書くとわかりやすいだけどね。十五人が十五人を撃ち殺していくとね一つの銃と一人が余るんだよ。現によーいちは見てないけど光二が四人と相対した際に光二は正体不明の銃を一つ使ってる。私はそれをこの残った銃だと思ってるんだよん」