犯人ゲーム
「ちなみにぃ黄色のマネキンは男みたいだねぇ」
「望美あんたそこから性別わかるの?」
「わたしの視力をなめたらいかんぜよぉ~」
緊張感とはまるで無縁な望美の口調。陽一はそれをうらやましく思う。
それと同時に、逆説的に『黄色のマネキン』はつまりーー。
『ハ♪
ズ♪
レ♪
だね♪』
これ以上ないくらい嬉しそうなチェシャ猫。
隠していた本性を、そしてこのゲームの本質を陽一達は聞くことになる。
耳まで裂けた歪んだ三日月みたいな口からそれを洩らした。
『そうそう、ハズれたらねキツぅイ罰ゲームが待ってるからね♪』
「罰、ゲーム」
言葉の意味を理解するより早く、室内に銃声が轟いた。
「ひっ!?」
短い悲鳴、見れば藍原の腹部が赤く染まっていた。
『藍原君。失格~♪』