犯人ゲーム
『それじゃあみんな、がんばって犯人を見つけてね♪バァイ♪』
チェシャ猫はそう言って唐突に消えた。
画面は再び暗闇に溶ける。
陽一は握り締めた手を解き放った。
手に残る汗。陽一は髪を掻き上げ撃たれた二人へと駆け寄った。
二人共仰向けに倒れている。
言わずもがな血にまみれて。天井から当たる光はまるでスポットライトのようでやはりどこか舞台然としているように思えた。
二人はピクリとも動かない。
あとから撃たれた彼に至っては的確に頭を撃ち抜かれたのだろう。
即死の判断は難しくなかった。
「ひでぇな…」
肩越しに振り返るといつの間にか光二がそこにいた。
光二は陽一の横をすり抜け、藍原の手首の脈を確認する。
「まだ、生きてる」