犯人ゲーム



藍原がまだ、生きてる?


よく聞けば、確かに「ヒュウヒュウ」と藍原の微かな呼吸音が聞いて取れる。


まだ、生きてる。


「藍原、死ぬんじゃねえぞ!!」


光二は藍原の出血部分を抑え、近くのクラスメートにハンカチを要求する。


流石だ。陽一は心の中で呟いた。


あまりに現実離れしたこの状況でどうしてこんなにテキパキと動けるんだろう。


「陽一、お前のハンカチも貸してくれ!!血が、止まんねぇんだ!!」


見れば、幾重にも重ねたハンカチは既に血に染まっている。


出血があまりに多量過ぎる。


「……み、みくろ…い?」


掠れた声は藍原のものだった。


「……お、俺は…死ぬの……か?」


「死なねぇよ!!死ぬとか言うな!!こんなクソゲームさっさとクリアして皆で修学旅行に行くんだろ!?」


「あぁ……修学、旅行……」


藍原の表情がゆっくりとほころんだ。


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