犯人ゲーム
「じゃあどこに行ったんだ?」
「死体片付け」
何でもないことのように望美は言った。
「死体、片付け」
陽一はそう口にしてから強烈な嫌悪感に襲われた。
ついさっきまで確かにクラスメートだった彼ら。
けれどもう人として扱われる事はないのだ。
死んだ瞬間からただの肉塊に成り下がりそしてそれらは片付けられる。
ゴミとさして変わらないのだから。
意識に現実が寄り添う。もしかしたら次は自分かもしれない。
そう思うと酷く怖かった。
「ビビっててもしようがないだろ~」
望美が心でも読んだかのように言った。
「ビビってなんか」
「よーいち」
ゴロンと望美は体勢を仰向けに変える。
長い黒髪がソファから零れ落ちた。
「わたしがいつからよーいちの隣にいると思ってんの?」
「……」