犯人ゲーム



自分の中の最古の記憶。幼稚園の頃。


その記憶には既に望美がいた。


望美は昔からぼんやりとした奴だった。


体を動かす事、というか運動が嫌いな奴でそれが災いしてか友達と呼べる人間が陽一しかいなくていつも陽一が面倒を見る羽目になっていた。


いつもいつも。だ。


けど、たまに望美はその関係をひっくり返すようにドキリとする事を言う。


昔から、今に至るまで。


そしてそれは現に今まさに。


「よーいちの考えることはよぉくわかるんだぜぇ?」


「そうかよ」


陽一はどことなく昔の事ながら、むしろだからこそなのか気恥ずかしくなって話を逸らす事にした。


「おじさんとおばさん元気?」


「話の逸らし方下手だよね」


「うっさい」


そんな事昔からわかりきってる事だ。


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