犯人ゲーム
「うちのパパとママなら元気だお」
「うちの親父と母さんも元気だぞ」
眼球を右へ左へ走らせながら「そいつぁいいことだぁね」と一言。
「お前んちのデッカい犬、あれ名前なんて言ったっけ」
「ぽち助」
「そう、ぽち助。あれは?」
「一年前に老衰で死んだじゃあん。よーいちにも言ったはずだぉ」
「そういやそんな事も言われたような」
言われてないような。
曖昧な記憶だから別に深く掘り下げる気もない。
「てかそんなどうでもいい話を何故に今更」
「お前がさっき言った通り、話を逸らしてるだけだよ」
「そいつぁ難儀な事で」望美は再びうつ伏せに戻った。
「いやさ。昔は、今もだけどお前のあのデカい家にスゴい憧れてたんだ」