犯人ゲーム
『みんなから見て右から『赤』『青』『黄』『黒』『白』『緑』『ピンク』ってなってるよね』
しかし陽一の場所からでは色はよくわからない。
『色がわかりづらい人の為にマネキン達には一体づつちゃんと色を記したネームプレートがついてるから安心してね♪』
じゃあ一度、犯人を当ててみようか。
チェシャ猫のその言葉と同時に「カシャ」と何かが開く音がした。
陽一も自分の今まで眠っていた、リクライニングソファの肘掛け部分を見れば何かが出ているのに気がついた。
『みんな自分の席に戻ってね』
そんなチェシャ猫の無機質な声は、陽一の耳には届かなかった。
しかしそれは、陽一だけじゃないだろう。
皆、自分の席から現れた『何か』に目を疑っていた。
「なん…だよ、これ」
人知れず、陽一の口から声が漏れる。
目の前には、紛れもなく『銃』があった。