犯人ゲーム
「何で『犯人』がクラスメートなんだよ。そんな事あるわけーー」
「ーーあるんだよ」
光二が遮った。
「チェシャ猫の野郎は一言も言ってないんだよ。『犯人はマネキン』だなんて」
確かに、そうだ。
チェシャ猫は『この中』とぼやかした言葉を多様していた。
けれど、陽一はそれを理解した上で否定の材料を模索する。
犯人がクラスメートなら、チェシャ猫の提示したクリア方法はあまりにゲス過ぎる。
「こーじが言ってるのはあくまでも可能性の一つだからね?その辺は勘違いしないでね」
望美はどこか慰めるような口調だった。
「それでも、僕は……」
「よーいち。言ったはずだよ、可能性に過ぎないって。
でもわたしはこーじと同じ考えだけどね」