犯人ゲーム
「じゃあもう一つ訊く。なんで接触した」
『ん~。それなら教えてあげても良いかな♪簡単な事だよ御黒井君。そうした方が、面白いでしょ?』
「おもしろい?」
光二は眉をひそめる。
『藍原君が身を犠牲にして教えてくれたじゃない。
誰かが先導したらみんな思うはずだよ。
「こいつが接触した人間なんじゃ」
ってね♪』
「……疑心暗鬼を誘ってるって事か。クソ悪趣味な奴だ」
チェシャ猫の細い目がより一層細くなる。
陽一はぼんやりと二人のやり取りを眺めながら、けれど光二の真意を探る。
光二とは長い付き合いだ。彼は短絡的な激昂なんかで行動する人間ではない。
よく知ってるつもりだ。
『けど御黒井君ちょっと生意気だねぇ♪』
ガチャリと音がした。
画面右上から黒い銃身が現れ、銃口が光二に向けられた。