犯人ゲーム
「陽一、大丈夫?」
陽一の視界にひょっこりと遥が現れた。
「元気してた?」
「元気してたも何も何時間か前に会っただろ」
「そうだったね」
遥は人懐っこく笑って、陽一の上に座った。
「遥。何してんの?」
「何。ってただ座ってるだけだけど?」
「いやそれはわかるけどなんで僕の上に」
「えと、嫌なの?」
嫌、というより周囲の目が……。それにこの体勢は色々危ない。性的な意味で。
「わかったよ、僕がよける」
ソファに遥を置き去りに陽一は立ち上がる。
視界が歪んだのは貧血気味だからだろうか。
「で、何か用かよ」
「用?用なんてないよ」
「なら何しに来たんだよ」
「いや普通に陽一と『犯人』の相談でも」