犯人ゲーム



「あのね、ぶっちゃけて言うとね。私も陽一と同じ意見なんだよね」


「同じ意見?」


「うん、私もね『犯人』はマネキンだと思うの」


遥の黒目がちな双眸が陽一に向けられる。


「そうか。でもなんでマネキンだと思うんだ?」


「それも多分陽一と同じだよ。確固とした理由はないけど、ただマネキンだったらいいな。って思ったの」


私はクラスメートを撃ちたくないよ。


小さく呟く遥はどこか小さく見えた。


陽一も同じだった。


いや、皆同じだろう。


仲良しクラスとは程遠いクラスではあるけど好き好んでクラスメートを撃ちたい奴なんていない。


ただ皆、生きてここから出たいだけだ。


「僕だってクラスメートを撃ちたくなんてない」


「だから、二人で考えよ。このゲーム、最善のクリアを」



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