犯人ゲーム
室内にざわめきが舞い戻る。
残されたのは僕等と照らされたマネキン、それにハンドガンタイプの銃となんとも言えない不快感だけ。
陽一は一つ息を吐き出しソファに身を預けた。
のぞむ天井は暗闇の中に隠れその姿はわからない。
と言うかわからない事ばかりだ。
頭がパンクしそうだった。
「陽一。いるか?」
誰か名前を呼んだ。
上体を起こし、周りを見渡す。
「陽一、俺だ」
近づく影があった。
「光二か」
【御黒井 光二(みくろい こうじ)】
陽一にとっての幼なじみの一人で短髪の見た目からはスポーツマンという印象を受ける。
事実彼は陸上部のエースであった。
「良かった。あっちに望美と遥もいるからさ。お前も来いよ」
「あぁ、わかった」