犯人ゲーム



「こんな異常な場所でラブラブするなんてなかなか肝の座ってる奴らだな」


ビクンと体が縦に弾んだ。


振り向けば最近神出鬼没が板についてきた光二がそこにいた。


「どうしてお前はそうやって突然現れるんだ?」


「いやいや。別に突然現れてるつもりはないんだけどな」


光二は特に悪びれる様子は見せない。


「知ってるか。ダットンとアロンの吊り橋心理って」


知るわけない。誰だよそれ。


「簡単に説明するなら、男女が吊り橋に二人でいたとする。吊り橋を渡る際の極度の緊張状態、それを恋愛感情に誤変換してしまう、不思議な人間心理。それが吊り橋心理ってやつだ」


あぁ、そう…。


それが一体なんだと言うのだろう。


「……今の私がそうだって言うの?」


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