犯人ゲーム
「いや。ただ突発的な感情でそういう事を言うもんじゃない。そう忠告しようとーー」
パシン。そんな乾いた音が薄闇を裂いた。
後に残ったのは光二の頬を打ち抜いた遥の平手。
「ーー最低」
遥はソファから飛び降りるように立ち上がり、光二の横を通り抜けて薄闇の中に消えていった。
気のせいかもしれないが、遥は泣いてたように見えた。
「バカ光二。人の気持ちをなんだと思ってんだよ」
「……遥には、悪い事したな」
「当たり前だろ。今のは本当に最低だ」
「……わかってる。てかわかっててやったんだから」
「はぁ?」
「あの場に、遥にはいて欲しくなかった」
「……言ってる意味がわからない」
「俺が信用してるのは、今はお前だけだ」