犯人ゲーム
「とりあえず『F』から始まる色をーー」
「ーー何語でだ?」
何語で?
そこで陽一は自分の固定観念に気が付いた。
別にチェシャ猫は「英語」とは言っていない。
頭文字がアルファベットだと言っただけ。それを陽一は勝手に英語だと解釈したのだ。
「わかったみたいだな。あのクソ猫のヒントは英語じゃないんだ」
「なるほど英語じゃない、ね。だとしたらこのヒントは更に難易度が上がったぞ?」
英語じゃないなら一体何語だというんだ。
大体にして英語以外の色の名前なんてわかるわけがない。
「そんな絶望的な顔すんなよ」
陽一は自分の顔に触れる。
「そんな顔してるか?」
「してる、つかお前の顔はどうでもいい。重要なのは『F』から始まる色だ」
「光二はわかってるのか?」
「当然だ」