犯人ゲーム
『おもしろい』
チェシャ猫はそう喜悦に顔を歪めて言い放った。
僕らの意志とは無関係に流れは確実にチェシャ猫の望む方向へ進んでいく。
「お前に俺が撃てるのかよ!?」
男子グループの先頭が声を張る。
「撃つなよ遥。あんな奴の言うことなんか真に受けるな」
「一ノ瀬、お前だってコイツ等が怪しいって思ってんだろ?」
陽一は舌打ちを先頭の男子グループに向けた。
そんな短絡的な考えと一緒にされるのは不愉快だった。
「遥。銃を下ろせ」
「いいから、撃てるもんなら撃ってみろよ」
両手を広げ、遥を煽る。
「知ってんだよ。お前が『犯人』だってのは!!」
「てめぇ!?」
陽一は先頭に近づき胸倉を掴んだ。