犯人ゲーム
前方の画面がチカチカと光る。
拳銃の音がそれに追従して、締めるのは悲鳴。
私は目を閉じた。
あの映画のエンディングを瞼の裏に映し出す。
最後は男女二人が生き残って、逃げ延びる。だったはず。
随分昔の記憶だ。断片断片を繋ぎ合わせたような頼りない記憶ではある。
もしかしたら、それは私の希望なのかもしれないけれど。
でも、現実は違う。
そんな夢想がまかり通る甘さはどこにもない。
互いが殺し合って、犯人を見つけて、また殺す。
不意に銃声が止んだ。
殺し合いが終わったのだろう。
……殺し合い?
私は無意識のうちに自嘲する。
殺し合いなんかじゃない。
……まだ殺し合いの方が良かった。
これは殺し合いに見せかけた、単なる虐殺だ。