犯人ゲーム
★ ★ ★
陽一は自分のクラスの事を考えていた。
ずっと薄闇の中で過ごしていたせいか時間感覚は既に退廃しかけていたが多分昨日までのクラス。
特別、仲の良いクラスではなかった。
けど仲が悪い訳でもなく良くも悪くも普通のクラスと言うのが陽一の評価だった。
けれどその評価は一変しなければならない。
クラスはもう、バラバラになって皆、疑心暗鬼になって。
助け合えなくなって、信じ合えなくなって。
その果てにクラスメートに銃を撃ち合って。
殺し合う。
修学旅行への期待を過去に放り捨てて。
陽一は思わずにはいられなかった。
「どうして僕達がこんな目に」と。
答えは誰も知らない。誰も答えない。
けれど陽一は狂ったように問い続けた。その腕に遥を抱いたまま。