犯人ゲーム



「でも気のせいかもしれないけどね。なんてったっけ、あの光二の言ってたあれ」


「……感情の誤認識?だったはず」


「確かそんな感じだったね」


「けどあんなの、光二のひがみだ。気にする必要なんてない」


遥はニコリと笑った。


綺麗な笑顔だ。


「ありがとう。陽一」


「何を、」


「やっぱり私は陽一の事、好き『バァン』





遥の側頭部から赤い血が噴き出した。


薄闇の中、舞う鮮血。それは陽一の瞳の中でゆっくりと、緩慢に。スローモーションのように。


遥の身体も崩れ落ちる。


笑顔を湛えたまま陽一の視界から消えていって、


現実からもいなくなって、



あぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁぁっっ!?





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