犯人ゲーム
「何で、何で撃ったっ!!」
答える声はない。
陽一は暗闇に焦点をさまよわせる。
ぼんやりと生き残ったクラスメートの引きつった顔が陽一に向けられていた。
「どうして、遥が死ななきゃならないんだよ…」
抱擁する遥から徐々に体温が消えていく。
室内は異様なほどに静まり返って、陽一の啜り泣く声だけがそこにある。
どうしてだか陽一は独りになった気がした。
望美も光二もクラスメートも同じ空間にいるはずなのに孤独感が強くなっていく。
結局、一番近かったのは遥だった。
思考も、距離も。
望美や光二のような強さを持たない陽一はどこか自分と同じ匂いを遥に感じたのだ。
この空間で、仲間だと言えたのはある意味で遥だけだったのかもしれない。
陽一は遥の瞼を閉じた。
陽一は遥に顔を埋めて声を殺して泣いた。
掛けられる声はなかった。
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