犯人ゲーム
「詭弁だねぇ」
……詭弁?
まるで何でもない事を談笑するかのような自然な笑み。
彼女は続ける。
「だって遥を殺すようにあの男子を差し向けたの、一体誰かなぁ?」
「……」
「私は、私の親友が殺される事知ってたのだよ?悲しみなんて事前に流しちゃったよ」
「そうか」
それでも、やっぱり悲しいけどね。
そう彼女は小さく呟く。
……笑顔を浮かべて。
彼女が本当に悲しいのか、その表情からはうかがいしれない。
だが正直な所俺自身「悲しいか?」と問われれば答えは「わからない」。
だって、遥は。
俺が殺したようなものなんだから。
俺が、悲しんだらそれは冒涜に他ならないだろ?
俺は悲しんじゃ、ダメなんだ。