犯人ゲーム
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銃声がした。人の倒れる音がした。
陽一が自分のソファで横たわり目を瞑ってからこれで二度目。
どちらの銃声の前にも口論は聞こえなかったから、陽一はそれを自殺だと認めた。
クラスメートの死に慣れてしまった自分に辟易しながらも、陽一は動く事はしようとしない。
思考を放棄していた。
何も考えたくなかった。何も見たくなかった。何も聞きたくなかった。
心が折れかけていたのだ。
自分も自殺したら楽になれるだろうか?
陽一はそんな事をポツリと考え、自分の拳銃の銃口をこめかみに当てた。
冷たい鉄の感触は否が応でも死を連想させる。
引き金を引けば、あっさり人が死ぬ忌まわしい道具。
陽一は引き金に指を伸ばした。