犯人ゲーム
光二は答えない。
「お前が撃った男子だけじゃないだろ。……遥だって、お前が殺したようなもんだ」
「否定はしない」
「……答えろ。なんで、あの男子達をけしかけたんだ…っ!!」
まるで、視線だけで人を呪殺するかのように陽一は光二を睨みつける。
「あれが一番正しいと思ったからだ」
「正しい、だと?」
「あぁ」
「……遥が、死ぬのも。正しいのかよ…っ!?」
「……あぁ」
陽一は、自分のスーッと思考が真っ白になる感覚に襲われた。
何も考えられなくて。何も聞こえなくて、何も感じない。
けれど足が言うことを聞いてくれなかった。
動き出そうと、踏ん張った左足はまるで宙に浮いた感覚で、陽一はぬかるみに足を取られたように、体勢を立て直す事も出来ず思いっきりつんのめってうつ伏せに倒れ込んだ。