犯人ゲーム
「俺は吉井の銃を使ってそこの男子を撃った。だから吉井は撃たれた」
「……それを知ってて、撃ったのか?」
男子を、それに自分さえも。
「バカ言うな。逆だ、確かめる為に撃ったんだ。まぁ結果は見ての通りだ」
「ふざ、けんな…っ!?」
「ふざけて人は殺さねぇよ」
光二はつまらなそうにそう吐き捨て、陽一の横を通り闇の中で何かを拾った。
「お前の銃、もらっとくぞ」
チラリと見せたそれは先ほど光二に弾かれた陽一の銃。
「ま、て」
光二は肩越しに陽一を覗く。
既に銃は奪われた。足も撃たれた。光二の目に陽一への興味は既にない。
陽一もそれは重々に理解している。
「…う、ぐぁ」
陽一は右足に力を込めて気力だけで立ち上がる。
撃たれた足からはとめどなく血が溢れるが気にはならなかった。