犯人ゲーム
「バカ。無理すんな、死ぬぞ」
「うるさい」
僅かに眩む視界。陽一はそばにあったソファに体を預けた。
「光二、お前。誰の銃で僕を撃った?」
他人の銃で撃てば自分に制裁はない。
それは吉井の死という形で明確になった。
そして光二は二つの銃を撃った。一つは吉井の銃。
じゃあもう一つは?
「山吹(やまぶき)の銃だ」
「山吹(やまぶき)?」
「藍原に、一番最初に駆け寄った奴だ」
あぁ、あいつそんな名前だったっけか。
確かにあいつは銃を撃たずに死んだ。
その銃をしたたかにも隠し持ってたって事か。
「そういう事だ。俺とお前らじゃ心持ちが最初から違うんだよ」
「てことは、最初っからお前はクラスメートを殺す気だったって事か」
「否定はしない」