【完】君の笑顔





下を向いて黙り込んだ岡本さん。

清水先生も不思議そうに首を傾げてカルテを見つめる。



取り敢えず再検査の精密検査の予約を入れるようにしておかないと……。


そんな事を考えていれば、同じく黙り込んだ何かを考えていたらしい。


いきなりひらめいたようにガバッと顔を上げた岡本さんと目が合う。


岡本さんは何故か僕の顔を見ていて。

その顔は良い事を思いついたからか笑顔で。


僕は嫌な予感を咄嗟に感じた。


きっと巻き込まれる――……




「先生!
あたしが行く所に高橋も付いてくるなら許可してもらえます?」


「高橋先生が?」


「そう!外出するのは今度の高橋の休みの日で良いです!
高橋も一応先生……だし、いざというとき安心だし。それなら良いですよね?」



……何を勝手に提案しているんですか……。



岡本さんの提案を聞きながら清水先生は僅かに顔を動かして僕の方を見る。



僕はどうしたら良いのか分からず、ただ清水先生に助けを求めるように見つめ返した。









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