【完】君の笑顔
後に残されてしまった僕。
後は任せる、と言われても……どうしたら良いのか分からない。
何という事を提案しだすんだ。
僕を連れていくって……よく閃いたな、さすが若い。頭が柔らかいなと感心してしまう。
ただどうする事も出来なさそうな状況に困っていると、僕を気にせず岡本さんはスニーカーを取り出す。
そして、すぐそばにあった封筒?を手に取ると立ち上がり僕の横を通り過ぎていく。
どこへ行くのかと慌てて僕も付いてこうとして気付いた。
スニーカーで部屋を出ていくって事は行き先は……外?
窓の外に目をやれば、木が風で微かに揺れていた。
寒いはず。
なのに何も着ないで部屋着のまま行こうとするなんて。
ベッドの傍に置いてあった岡本さんのパーカーとブランケット。
とりあえずそれを手に取り後を追う。