【完】君の笑顔





「……別に、何でもない」


「何でもない訳ないだろ?さっきからめっちゃ考え事してるし、落ち着き無いし」


「……っていうか!何で聖いるの?今日平日だけど?」




昨日の夜は仕事があった聖は終わって仕事場から直接家にやってきた。




……何で僕の家に泊まろうとするか分からないけど。




「俺んとこはさ、秋んとこみたいに忙しくないし、呼び出しだって無いし、人数結構多いからシフトの都合が利くんだよ」




何故か漫画を持参していて、それを床に座って読みながら平然と答える聖。



「へー。羨ましい仕事」


「秋は直接病気治すからな〜そっちのが羨ましっ!俺一回言ってみたいもん。メス!って」


「……そう」



……昨日と今日の休み。


岡本さんが写真展に行きたいと言っていた日にち。



写真展に行かれたら困るから、看護師さんに僕が休んでいる2日間、なるべく岡本さんを見てて下さいと頼んでいた。



まだまだ日程があったし、抜け出そうと思えばあの日から今日までも時間があった。








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