【完】君の笑顔
だけど、岡本さんは今日までは抜け出さないで。
昨日も家にいても心配で病院に電話して聞いてみたけど、昨日も大人しくベッドの上で1日過ごしたそうだ。
「本当に行くつもり無くなった……よね」
「だから何がだよ!……あ、あの子か?問題児」
言えよ、言えよとうるさい聖。
仕方なく少しだけ話すか。
岡本さんの病状とかは個人情報だから言えないけど。
「最近出歩かなくなったんだよ、岡本さん」
「ふーん。良かったじゃん。で、それが何考える事があんの?」
ベッドの上に座っている僕を見上げて尋ねる聖。
「今日さ、本当は岡本さんが行きたいって言ってたイベントに行く日だったんだ」
「うん」
「だけど、ダメって言って……行かないよう説得して。そうしたらそれから全く抜け出さなくなって。
で、多分大丈夫だろうと思ったけど、抜け出してたらどうしよって思って」
「秋、昨日も休みだったよな?」
「休みは昨日と今日だけど?昨日も岡本さん大人しくしてたみたいだし……」