【完】君の笑顔





岡本さんが聖と同じ思考だったらその方法で抜け出すかも。




「まぁな。俺、若いからさ。若い子の考えてる事分かんだよ」


「……歳は同じだよね」


「中も見た目もまだまだ若く見えるって」




……調子に乗る聖を無視して、僕はベッドから下りて出かける準備をする。



「これでもし岡本さんが大人しく病院に居たら絶対怒られる」



何で休みなのに病院に来てるの?


そんなに信用出来なかった?って。



「そしたらさ、コンタクト姿見せに来たんですよーって言えよ。口実になるじゃん」



聖は自分の瞳を指差して得意気に言う。



勤務中は眼鏡だけど、慣らしていかないとって事で休みの日はコンタクトを付けてる。



そう言えば、岡本さんも眼鏡よりコンタクトの方が良いって言ってた。



それより……短時間でパッと口実を思い付くなんて。


ある意味スゴいよね。



「……病院に行って来る。聖、家空ける時ちゃんと鍵かけてね」


「おー。多分空ける事無いけど」


じゃあねーと手をひらひら振る聖を一瞥してから、家を後にした。







< 135 / 268 >

この作品をシェア

pagetop