【完】君の笑顔





「帰るつもりだったよ?
だけど、本当に岡本さんが帰るように思えなくて。 ちょっと尾行してみて本当に帰りそうだったら車で帰るつもりだった」



連れて帰るつもりだった……と言えば岡本さんが不機嫌になるのが目に見えてる。



だから、少し誤魔化して言った。


「どうしてあたしのいるところ、分かったの?」


「……音」


「音?」




不思議そうに首を傾げる岡本さん。



僕は黙って頷いて、ゲームセンターの方を指差す。



「電話越しにゲームセンターの煩い音が聞こえてきたからすぐに分かった。で、見てたら走ろうとしてて……今」



ゲームセンターの方を見つめた岡本さん。



電話越しに音が聞こえていたなんて予想外だったんだろう。



悔しそうな顔をしている岡本さんを見ていると、さっきみたいにカッとはしないけれど。



少しは考えて貰わないと……。



ちょっと言っておかないといけない。








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