【完】君の笑顔
「……高橋君は面白いね」
「はい?」
言ってる意味が、分からない。
どう言う意味ですか?……聞こうと口を開きかければ、清水先生が先に話す。
「……こういう事は、あの子達の方が得意かな」
そう言いながら視線を動かした清水先生。
つられて清水先生と同じ方向を見れば、あ。
あさみちゃん、と、椿ちゃん。
僕達を見ながら、真っ直ぐに向かってくる。
……あさみちゃんが怒っているような気がするのは気のせい?
「こんにちは、ちょっと良いですか?」
椅子に手をかけた2人に、清水先生がニッコリと頷く。
「今日も心ちゃんのお見舞いに来てくれたの?」
最近良く来てくれている2人。
椿ちゃんの方は仕事があるらしく、夕方スーツ姿で来てくれる事もあった。
「今日はどちらかと言えば心はついでで……高橋先生に用があったんです」
「僕に?」
「あ、ご飯冷めるので食べながらで全然良いです」
箸を止めて2人を見れば、椿ちゃんが慌てて言ってくれた。