【完】君の笑顔
「あれ?やっぱ秋君は気にしちゃうの?」
「違うそうじゃなくて……なんで僕が?」
「だって秋好きでしょ?心ちゃん」
……昼間にあさみちゃんと椿ちゃんが言ってきた事とリンクする。
「研修医の時から気に掛けて、心配して……普通の患者にそこまで干渉しないでしょ」
言葉を失う。
ずっと、研修医の時に見かけてからずっと。
僕が治してあげたいって思ってた。
強がるけど弱くて
僕をからかってくるけどちゃんと考えていて……。
何と言われても可愛くて笑ってしまって。
好き……か。
考えたら、そうかもしれない。
病気を治す事しか考えて無かったけれど。
好きだから、担当でも無かった頃から治してあげたいって思ったのかも。
でも。
「岡本さんは、僕の事嫌いだから」
僕が好きだと気付いた所で、岡本さんに拒絶されるから。
自嘲する笑いが出てしまった。
「……お前むかつく」
ゴン、と僕の肩に激痛が走る。
「いった」
聖の拳がストレートに僕の肩に直撃して、反対の手で叩かれた部分を抑えた。