【完】君の笑顔
なんだよ、いきなり。
むかつくって。
「お前いっつもこういう事に関しては受け身だったもんな。何女子高生みたいにウジウジしてんだよ。気にせずガッと言っちゃえよ!」
「……受け身だったつもりは無いんだけど?」
心外だ。
何も出来ない男……みたいな言い方に聞こえる。
「秋は心ちゃんから直接嫌いって言われたのかよ?
言って初めて向こうが思っていた事が分かる事もあるんだからさ……考えてみてよ」
……言って初めて、ね。
あさみちゃんと椿ちゃんに提案された事も前向きに考えるしかないのかな。
「……分かった」
頷けば、ニヤニヤ笑う聖。
「じゃあこの話は終わり。……だけど秋があんな若い子を好きになるとはなー。
前から年下には好かれてたと思っていたけど」
「……煩い。もう帰って」
菓子袋を片付けて、聖を追い出そうと体を押す。
「なんで!?良いじゃん泊まらせてよ」
「自分の家へ帰って。もう今日は疲れたから」
「……またすぐ来るからな!」
「来なくて良い」
拗ねながらも、聖は渋々帰っていった。