【完】君の笑顔
プレゼント
……この前は岡本さんがいたし、それどころじゃなかったから良かったけれど。
良く考えれば男1人で入るには若干の抵抗があるな……と思う。
良く考えて、岡本さんにもう一度ニコニコ笑ってて欲しいし、思っている事をきちんと話して欲しい。
そういう理由から、あさみちゃんと椿ちゃん提案の仲直り目的のデートに乗ることにした。
言われた通り仕事が終わって、あさみちゃんが働いているあの店に来たのは良いけれど……
「……あの。やっぱり場所移動しません?バイトが終わるまで待ってるから」
近くでセールになっているワゴンの中のぐじゃぐじゃになっている服を畳んでいるあさみちゃんに言う。
学校帰りの学生もいるし、前の通りを歩いている人もチラっと僕を見ていってる気がする。
こんな所で、いくら店員が知り合いと言ってもスーツ姿でいる僕は明らかに浮いてる。
「えー何でですか」
「や、目立つし。見られてる気が……」
「それは先生がカッコいいからですよ」
「や、違うけど」
気にせずどんどん整理していくあさみちゃんを見つめる。
……岡本さんみたいだな。