【完】君の笑顔





なるほど。


そうやって岡本さんを騙して外泊許可を取らせたんだ。



ネタばらし、しても大丈夫だよね?



「それ、嘘」


「は?」


「今日は僕がお祝いしますから」

「今日、休みなんじゃ……」


「あさみちゃんと椿ちゃんに言われて休み取ったんだ」



元々は仕事だったけれど、最近はなるべく病院に居たくて他の先生とシフト変わったりしてたから。


言えば、簡単に休みを取らせて貰う事が出来た。




「……良いんですか?高橋先生、医者ですよ?」




眉を寄せながら聞いてくる岡本さん。



「あ、それは別に問題ないよ。清水先生も知ってる事だし」


「嘘!?」


「本当」




もっと言えば、『岡本さんの事好きなんじゃないの?』って言われたし。


清水先生の奥さんは元患者さんだったらしい。




「それに、今日で20だし。お酒飲まないように見てなきゃいけないし」


「別に、飲むつもり無いですから」



前を向いた岡本さん。



「そうやって、何回騙された事か」


もう、騙されないから。









< 224 / 268 >

この作品をシェア

pagetop