【完】君の笑顔
自然に耳に入り込んでくる説明を聞きながら、次々に変わっていく星空。
「次は、先日発生した流星群の様子です」
そのアナウンスと共に星が次々に流れる。
横の岡本さんを見ると、じっと天井の星を見つめている。
……嬉しそう。
穏やかな表情。
本当に星とかそういう系が好きなんだね。
さっきパズルの絵を見た時と全く同じ顔をしていた。
上映が終わり、外に出る。
さっき途中までしか見ることが出来なかったので資料館にまた行くかと聞けば
眩しそうに目を細めている岡本さんは星の写真だけで十分だったらしい。
まぁ、模型とかは大体惑星の基礎知識の説明だったから。
それなら、次の場所に行こうか。
車に乗り込み、次の場所へと運転する。
「どこ行くの?」
さっきよりも元気を取り戻した岡本さん。
あの喋り方も消えて、戻ってきつつある。
「次の場所」
わざとニッコリ笑ってそれだけで詳しくは教えない。
今日は岡本さんをつれ回すって、最初に言ったから。