【完】君の笑顔
自惚れかもしれないけど。
岡本さん、優しい所もあるから。
「気持ち悪」
気持ちが顔に出ていたらしく、下を向けば岡本さんがこっちを向いて毒舌を吐く。
「次、どうしますか?」
「次?」
まだ時間残ってるし……。
大体つれ回したから、今度は岡本さんの希望も聞こうかと思って。
せっかくの誕生日だし。
「行きたい所、あります?」
「もう十分。家に帰る」
「帰る?」
「うん。高橋も帰って寝た方が良いよ」
変な所で欲が無い。
食欲はあるのに。
もしかして、僕の心配をしてくれて我慢してる?
「僕は大丈夫ですから。遠慮しなくて良いよ?」
さっき寝てしまったからもうスッキリだし。
「本当にもう十分。だから、帰る」
「分かった。帰る前に、食品買っていい?」
最後に今日の夕食を買わないと。
またつれ回す事になるけど。
一応岡本さんに聞いてから、今度は食品売り場へと向かった。